解説!塩のパッケージ表示
お塩の表示って、いろんなことが見えてきて、 実はちょっと面白いんだ。
※ 以下は食用塩公正取引協議会が定める表示ルールに基づくものです。
表面
「しお公正マーク」
「しお公正マーク」は塩の表示が適正だと認められた印です。
「国産塩」「国内製造」
「国産塩」との表示があれば、原料も国内産、製造場所も国内です。原料が外国産でも、製造場所が国内であれば「国内製造」と表示することが可能です。「低ナトリウム塩」
塩化ナトリウム以外の塩類が25%以上含まれる塩の場合、「低ナトリウム塩」と必ず表示されます。また、低減割合が比較対象品と合わせて表示されます。塩化ナトリウム50%以下の場合は「減塩」の用語が使用される場合があります。
低ナトリウム塩の場合、「医師の指示のもとに使用する」旨の注意書きも必ず表示されます。
裏面
「一括表示」(義務表示)
食品表示基準に従って表示されます。表示ルールで定められた用語を使用する項目もあります。塩は品質の変化が極めて少ないので、賞味期限・保存方法の表示の省略が認められています。
「製法表示」
製造方法は食用塩公正取引協議会会員の義務表示です。どのような原材料を用いてどのような製法で製造したのかが明瞭にわかるように表示をしています。「工程」
塩ができるまでの工程は、大きく分けて5つ。「濃い海水を作る工程」「濃い海水を作る工程+塩を結晶させる工程」「塩を結晶させる工程」「塩の品質、性状を整える工程」「岩塩や湖塩を掘り出す工程」。どの工程で作られた塩なのかが表示されています。
「用語や表現」
説明文章にも誤解を招く表現がないように、用語や表示のルールが設けられています。「栄養成分表示」
必ず表示しなければならない基本5成分です。塩は無機物です。有機系添加物を加えていない塩では、熱量から炭水化物まで0表示となります。
表示したい成分のうち、食品表示基準で定められている栄養成分(13元素)に指定されているものが表示されます。
表示したい成分で、食品表示基準で定められている栄養成分以外の成分は区別して表示されます。
「原材料名」
原材料名として使える用語は「海水」「海塩」「岩塩」「湖塩(塩湖水含む)」「温泉水」。国内で製造された商品には、原材料名の後に( )書きで原料原産地が表示されます。
工程を表示する用語として16の用語が定められています。
濃い塩水を作る工程 | ||
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イオン膜 | 海水中の塩分をイオン交換膜を利用して濃縮する操作。 | |
逆浸透膜 | 海水中の塩分を逆浸透膜を利用して濃縮する操作。 | |
溶解 | 天日塩、岩塩などを水や海水に溶かして、「かん水」と呼ばれる濃い塩水を作る操作。 | |
浸漬 | 藻塩の製造工程で、海藻を海水に浸し、海藻の成分を溶出させる操作。 |
濃い塩水を作る工程+塩を結晶させる工程 | ||
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天日 | 太陽と風力といった自然エネルギーを利用した蒸発法。 |
塩を結晶させる工程 | ||
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平釜 | 開放釜で煮詰めて、塩の結晶をつくる方法。 | |
立釜 | 真空式や加圧式など密閉した釜や缶で蒸発加熱する方法。 | |
噴霧乾燥 | 塩水を霧状に噴霧して水分を蒸発させる方法。 | |
加熱ドラム | 海水を加熱ドラムに吹き付けて乾燥させる方法。 |
塩の品質、性状を整える工程 | ||
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乾燥 | 塩の結晶を加熱して水分を取り除く操作。 | |
粉砕 | 塩のかたまりを砕いて粒を小さくする操作。 | |
焼成 | 塩の結晶を高温で焼く操作。焼き塩の製造に用いられる。 | |
混合 | 副原料や添加物を加えて混ぜる操作。 | |
洗浄 | 天日塩や岩塩に含まれる砂泥などを、水や塩水で洗って取り除く操作。 | |
造粒 | 塩を粒状などに成型する操作。 |
岩塩や湖塩を掘り出す工程 | ||
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採掘 | 岩塩や湖塩を掘り起こす操作。 |
詳しく知りたい方は、食用塩公正取引協議会のこちらのページをご覧ください。